第1回心理職研修セミナー開催のご案内

この度,心理職等研修検討委員会では,心理職を主な対象とした研修セミナーを開催することになりました.

このセミナーは,小児医療・療育の現場で働く心理職の知識と技術の向上に役立つ研修機会を提供しようとするものです.学術大会前日でお忙しいとは思いますが,どうぞ奮ってご参加ください.
なお、このセミナーは、一般社団法人 日本公認心理師協会「認定専門公認心理師」の認定にかかるテーマ別研修として登録されています(保健医療分野 1.5単位)(現在、学術大会初日の午前中に開催されている研修セミナーとは別の企画となります)。
心理職等研修検討委員会担当理事 松嵜くみ子

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演題名:『WISC-Ⅴの臨床活用』
講師:永田 雅子(名古屋大学)

講師のことば:私たちが目の前の子どもを理解し,支援を考えるうえで,心理的アセスメントを正確に行うことは重要な役割の一つです.心理的アセスメントにはいくつかの手法がありますが,日常の業務の中では標準化された心理検査を利用することも多いのではないでしょうか.同じ構造,同じ教示,同じ道具を使って実施する検査では,結果として得られる数値だけではなく,目の前の子どもを理解するうえで重要な手がかりを得ることのできる貴重な機会となります.また子どもたちにとっても,心理検査の場は,自分を理解してもらえる大事な場として機能する機会となりえます.私たちが心理検査をどう活用するかは,心理職としての専門性がより問われるものなのではないでしょうか.
児童期の子どもたちに実施する検査で一番多く使われているWISC-Ⅳ知能検査が,2022年2月にWISC-Ⅴに改訂されました.これまでの改訂よりも大幅に変更となり,ウェクスラー系の知能検査が何をとらえたいと思っているのかがより鮮明となり,これまで熟練者であれば解釈が可能であったものが,数値化され結果として得られるようになりました.一方で,何がみたいのかによって補助項目の選択をする必要性が生まれ,数値の算出やその解釈により専門的な理解を求められるようになっています.そこで,WISC-Ⅴの改訂点と臨床活用をどのようにおこなっていくのか,できるだけわかりやすく解説をしていきたいと思います.

<講師プロフィール>
臨床心理士・公認心理師.名古屋大学心の発達支援研究実践センター教授.名古屋大学大学院教育発達科学研究科修了後,総合病院小児科や地域支援機関に勤務後,平成19年より名古屋大学に着任.大学院で,「査定法」を担当し,院生全員にWISCとのテストバッテリーを体験させ,事例検討を行っている.

<関連業績>
永田雅子(1999):心理検査から知能テスト(杉山登志郎,辻井正次編,高機能広汎性発達障害.ブレーン出版)
永田雅子(2002):臨床心理査定-認知発達・知能の査定(上里一郎監修,心理学基礎事典.至文堂)
永田雅子(2010):発達・知能のアセスメント(松本真理子,金子一史編,子どもの臨床心理アセスメント.金剛出版)
永田雅子(2018):心理アセスメントとは/アセスメントの活かし方(心理職等研修検討委員会,小児医療・療育の現場で働く心理職のためのミニマルエッセンス)
森田美弥子,永田雅子編著(2020):心理的アセスメント.放送大学出版会

日時:2022年11月11日(金)18:00~19:30
(第128回日本小児精神神経学会 2022年11月12日~13日前日)
場所:Zoomミーティング
定員:500名
参加費:日本小児精神神経学会会員は無料.
非会員の方(ただし小児の精神神経領域の専門家,心理専門職に限る)は2,000円
申し込み:googleform【第1回心理職研修セミナー申し込み】
     https://forms.gle/a6t7pRtRybSXVHDA6からお申込みください.
     折り返し参加URLをお送りします(非会員の方はご入金確認後).
お問合せ:日本小児精神神経学会 心理職等研修検討委員会
kodomoegao2021@gmail.comまでお問合せください.

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